たまたまレビュー#22 『スオミの話をしよう』

長澤まさみを持て余すおじさんたち
小川たまか 2024.10.13
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たまたまレビューでは、書籍・漫画・映画・ドラマなどのレビューを思ったままに書いていきたいと思います。大体週末の午後に更新します。

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今週の一本

『スオミの話をしよう』(脚本・監督 三谷幸喜)

簡単なあらすじ

 大富豪の詩人・寒川(坂東彌十郎)の妻・スオミ(長澤まさみ)が豪邸から姿を消す。そこに駆けつけたのは、刑事である前の夫・草野(西島秀俊)と、その部下の小磯(瀬戸康史)。草野は誘拐だと心配するが、寒川はすぐに帰って来るはずだと言い張る。誘拐なのか失踪なのかわからないまま、スオミのこれまでの夫・元教師の魚山(遠藤憲一)、YouTuber十勝左衛門(松坂桃李)、刑事の宇賀神(小林隆)らが集まり、場は混沌とする。そして……。

なぜ見たのか

 三谷幸喜ファンには申し訳ないけれど、SNSでかなり酷評されていたのを見て、逆に見たくなってしまいました。90年代にドラマ『王様のレストラン』とか映画『十二人の優しい日本人』とかを見て育った世代なので三谷幸喜さんは基本すごい人だなあと思っているのだが、近年はあんまり心が動かなかった。5年ぶりの映画で、しかも長澤まさみ主演なのにスベッてしまったらしい……と聞いて、見たくなってしまった。ごめんなさい。

 見た感想として、たしかに、酷評されるだけのところはある映画だと思う。しかし、素晴らしい映画とそうでない映画のどちらが語りがいがあるかと言ったら後者のこともあるわけで、視聴後の感想を誰かに伝えたくなる映画であるかどうかでいうと、この映画は「伝えたい」映画である。長澤まさみさんも大好きです。

 あと、映画って期待値にかなり左右されるところがあるので、期待しないで観に行ったら思わぬ感動が!っていうこともありますよね。さあどうだろう。

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