たまたまな日々・いろいろな場所で寝る

那覇地裁/対馬丸記念館/COCOさん/猫たち
小川たまか 2024.08.26
誰でも

 私は夏嫌いな人が羨ましい。なぜなら夏の終わりがこんなにさみしいから。

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 先週は那覇地裁へ傍聴へ行きました。

▼記事を出しました。良かったら読んでね。

▼こちらは有料記事。無料記事では書けない内容も書いているので、読み比べてもらえたらうれしいです。初月無料なので騙されたと思ってどうぞ。

 裁判傍聴の後はたいがい疲れるが、今回ほど長い尋問もなかなかない。伊藤詩織さんの民事裁判の本人尋問が約6時間かかったが、この時は原告と被告それぞれへの尋問合わせて6時間だった。今回の場合、休憩を挟みつつもAさんは5時間以上にわたって証言席に座っていた。その負担を思うといたたまれない。日本語のわからない被告のために通訳が入ったのでその分余計に時間がかかるのは仕方ないのだが、こんなしんどい思いをしなければいけないとわかって裁判をしたいと思える人がどのぐらいいるだろうと思ってしまう。そりゃ示談→不起訴が多いわけだよ。

 ただ、通訳が入って進行がゆっくりなので、その分傍聴席からのメモは取りやすかった。

 それから、通訳の人がときどき「それは自分の? 相手の?」など持ち物や動作の主体・主語を聞き直すので、傍聴席からもその部分がわかりづらい場合に助かった。日本語っていうのはつくづく曖昧なんだなと思う。曖昧はときに役に立つこともあるが、司法には向いていない。

 そうそう、泊まったホテルが対馬丸記念館のそばだったので帰りの飛行機に乗る前に寄ってみたが、写真を撮るのを忘れてしまった。

▼対馬丸記念館公式サイト

 沖縄から疎開するための子どもたちが乗っていた対馬丸が、アメリカの潜水艦に撃沈された事件。

 親たちは子どもを疎開させたくなかった。教師が説得にまわって応じた人もいた。子どもたちは鹿児島などに疎開することで、沖縄にはない雪や電車を見ることができると喜んでいた。対馬丸は親たちが望んでいた軍艦ではなく古い貨物線で、すぐにアメリカの潜水艦に追いつかれた……などの細部の記録を読んだ。

こちらは沖縄の猫ちゃん

こちらは沖縄の猫ちゃん

COCOさん

 帰ってきて日曜日は京都府主催のイベント「京都市学びフェスタ2024」へ行った。転職とかリスキリングをテーマにした催し。年齢とともにライター稼業がキツくなるから、ちょっと転職を考えていて……

 っていうのはウソで、CRAZY COCOさんの講演があったからです。

▼CRAZYCOCOチャンネル YouTube

 ミーハーでごめんなさいね。好きなタイプのお姉さんなんです。

 COCOさんはエミレーツ空港のCAからInstagramで人気を得て、吉本興業の芸人さんになった人。好きなくせにあんまり知らなかったんだけど、エミレーツ以外にも5社ぐらいを転々としていたそうで、その経験を踏まえて転職活動や自分に合う仕事の見つけ方の話をしていた。

 CAになったのは、英語を使った仕事をしたいと思っていたのに就職先で英語の部署に配属されず、どうしよう〜と思っていた時に、留学時の友人から「COCOちゃんみたいな人はエミレーツに絶対受かるよ!」と言われたことがきっかけだったのだそう。それまではCAなんて自分とは違うタイプの人たちと思っていたそうで、CAが似合いすぎてると思っていたから驚きだった。

 会場にはCOCOファンの女性も多くて、質問コーナーが熱かった。

 私は学校を出てからアルバイトか経営者かフリーランスしかやったことがなくて、正社員や契約社員として雇われたことがない。でも世の中ではフリーランスの方が少数派なんだよなと会場にいるたくさんの人々を見ながら思った。

 COCOさんのお母さんはずっと自営業で(ラウンジを経営していたそう)、ALSを患った夫(COCOさんの父)を介護しながら働いていたそう。そういうお母さんの働き方を見ていたので、COCOさんは自分の裁量で働ける今の仕事が楽しい、というような意味のことを語ってらした。

 とてもわかる。フリーランスとか自営業は不安定ではあるが、自分で使う時間を決められる自由はなにものにも変えがたい。ももアンのトイレ掃除をした後、寝ているキャッツの横で原稿を書く、みたいな今の生活が私は好き。

 そうそう、京都府ではキャリアアップのための300講座をオンラインで学べる取り組みがあるんですって。なんと無料。

▼オンデマンド学習サイト「KYO育tv.」開設のお知らせ

 座学は苦手なのですが、無料と聞いたらちょっと試してみたくなるな。ライターの仕事の幅も広がりそ? ※PRではありません。

猫たち

狭くても挑戦する。そこにダンボールがあるから

狭くても挑戦する。そこにダンボールがあるから

 猫を飼ったことのない人は知らないかもしれないが、猫の1日というのは寝ることである。特に老猫は。

 うちのももアンは、6時頃に起きてにゃあにゃあ言い、少しごはんを食べてお水を飲んで、ももちゃんは軽くパトロールをしてアンちゃんは床に寝そべって、その後8時頃からはそれぞれのお気に入りスポットで熟睡する。

 途中でトイレやお水のために何度か起きるけれど、基本的にはそのまま寝ていて、夕方になるとまたちょっとだけ活動して、あとは寝ている。

 それでも猫は猫なりに忙しそうで、ダンボールに入れるかどうかの確認や、毛づくろいや、人間が散らかした何かのチェックや、どこで寝るのが一番心地良いかの確認は念入りにやっている。充分に寝る環境を人間に整えさせるために、人間から見て愛らしい姿に進化した生き物、それが猫だと思う。

ねー、ももちゃん

ねー、ももちゃん

睡眠の話

 そういえば、COCOさんの講演で「眠れないときはどうしていますか?」という質問をした女性がいた。COCOさんは、夜のスマホはダメだから遠くへ置いておく、最近は寝る前に英語のAIの本を読んでいて、これが秒で寝れる、と笑いを交えて話してらした。

 ここで自分語りとなるが、私は人生において、眠れなくて悩んだことがない。思い返すと保育園のお昼寝のときに眠れなくて困ったことはある。でもそれぐらい。どこでもいつでも寝られるし、悩み苦しみつらみがあったらあったで「考えたくないから寝る」というモチベーションでたっぷり眠ることができる。悩みは過眠である。

 同じように人生において食欲がなくなったことも、ほぼない。つらいときでもお腹は空く。悩みは過食である。

 体が鈍感なのだと思う。そのことにはちょっとだけ悩む。

 たまに、「つらい取材が多いのに、どうやってメンタルケアをしているんですか」と聞かれるけれど、いつでも眠れる、食べられる体質だからというのもある気がする。これは……才能? ウソです、体に出ないのはそれはそれで危険なので気をつけます。

 今週末はまた沖縄の予定です。

 それではまたね。

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これはちょっと前に行った琵琶湖

これはちょっと前に行った琵琶湖

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