たまたまレビュー#32 最近見た映画など
最近見たもの読んだものがいろいろあったので、いくつかまとめて書くよ〜〜!
【目次】
(1)満席だった映画『教皇選挙』
(2)津村さん好き⭐︎小説『うそコンシェルジュ』
(3)ヤングジャンプの今・短編漫画「店内ご利用ですか?」
(4)ドラマ『キャスター』は脚本にフェミがいるのでは
(5)ネトフリバラエティ「罵倒村」くだらないと思って見始めたら……
(6)私たちの望むものは……漫画『伊藤千代子の青春』
(1)満席だった映画『教皇選挙』
ほとんどノーチェックだったのですが、「ご覧になっていたら教皇選挙の感想を」ってコメントをいただいたので見てきたよ!
4月末、GW間際の平日夕方で、なんと満席だった。京都のシネコンで満席って初めてなのでびっくり。私が行くのが平日夜が多いこともあって「京都のシネコンっていっつも空いてんな!」って思ってたんですよね。教皇選挙もそこまでメジャー映画じゃないと思い込んでいたのでコナンばりの盛況にびっくり。パンフレットも売り切れで追加がいつ来るかわからないって言われた。
現実のコンクラーベの時期とかぶったことで来場客がめちゃ伸びたってニュースをその後で見てなるほどねえって思いました。偶然にしては出来過ぎ!
それで見てどうだったのかというと、途中でちょっと寝かけました。おじさん、おじいさんたちがみんな同じ格好をしているので、髪型が近い2〜3人は見分けがつかず、どういうことえ〜と思ってうとうとした。こんな感想ですみません。映像の美しさとイタリア語・ラテン語の響きが眠気を誘う。
しかし起承転結の「転」あたり、キーパーソンが存在感を発揮し始めるあたりで「ははあ、何が言いたいかわかったぞ」となり、そこからは起きていました。
ざっくりあらすじを説明すると、進歩派(リベラル)だった前の教皇が亡くなり、教皇を敬愛していた主人公・ローレンスはリベラル派の急先鋒ペリーニを次の教皇を決める選挙でなんとか勝たせようとするのだが、保守派のトランブレら、そのほかの候補者に票が集まり、なかなかうまくいかない。
コンクラーベなるものは一応知っていたのですが、詳しいシステムは全然知らなかったので「へぇ〜」ってとても勉強になった。コンクラーベ中は外部の情報をシャットアウトするために荷物チェックの上、隔離。携帯電話の電波も遮断。誰かが投票総数の3分の2を獲得するため何度も再投票を行うので、投票結果が出た後にその都度、それぞれが画策する(映画では)。そして再投票の場合は黒煙、決定の場合は白煙が上がる……。絵になる仕掛けですね!
候補者の中にはアフリカ系や南米出身の枢機卿もいるので多様性だなあと思いますが、フェミとしてはやっぱどうしても「女の扱いよ……」とはなる。あと、アジア系が一人もいなかったような(見落としてたらすみません/現実のコンクラーベでは、初のアジア出身教皇誕生の可能性もあると言われていたようです)。
シスターたちは完全にこの選挙から排除されていて、食事のお世話係。こちらとしてはチベスナ顔になるわけなんだけど、最後のどんでん返しが!
ラストシーンでは、扉を開けて出てきたシスターたちが楽しげに会話している様子をローレンスが見送る。私は結構好きなラストシーンでした。現実がこうであるわけがねーよとはいくらでも突っ込めるのだが、監督が自分の見たい未来を映画に撮ったならそれでいいじゃんと思うし、こういう希望が社会には必要だと思う。