たまたまな日々・7月も半ばを過ぎて

梅雨が明けましたね
小川たまか 2024.07.20
読者限定

 駆け抜けた7月(まだ終わってない)。

***

コンドームの話

 こんにちは。昨日、性教育の講演をしている「びわこんどーむ」考案者の清水美春さん(←京都のいつメン)とスイカを食べながらコンドームの話をしていたら、ちょうどこんなニュースがLINEで他のお友達から送られてきました。

▼同意の上の性交で避妊を拒んだ男性に賠償命令「自己決定権の侵害」(2024年7月19日/朝日デジタル)

 ホテルで関係を持った際、女性が避妊を求めたのに拒まれたと。その後、妊娠を告げたところ男性は「既婚者だ」と認知を拒否。そして裁判、男性に賠償命令。記事の書き方からは、不倫だったのか、独身だと騙されていたのかまではわからず(訴訟になっているので、なんとなく後者のような気もするけど……)。

 いろいろと考える。

 賠償は当然だけど、女性を騙していたならそれについての賠償は他にあるのかな? 認知しなかったことへの賠償はあるのかな?(あってほしい)とか。画期的な判決なのだろうけれど、これが当然じゃなかったこれまでってなんなん……?とか。こういう男の不誠実さ(不誠実という言葉では足りない)は刑事罰になり得ないけれど、りりちゃんは「男性心理を手玉に取り、その好意につけ込む誠にこうかつな犯行」と断罪されて懲役9年、罰金800万円なんよな……とか……。

 現代において男の財産と女の若さや身体はトレードされるもののように見なされがちだが、それが奪われた際の司法判断は圧倒的に「財産」に有利になっているなと思ってしまう。賃金格差によって女性の方がお金持っていないので、女性は民事裁判も起こしづらいしさ……。

 それはそうと、性交の際にコンドームをつけるのがデフォルトか否かって人によってかなり差があると思う。自分のために絶対につけたい人もいるし、つけたくないけど義務としてつける人もいるし、つけない俺カッケーみたいなアホな人も中にはいる。それぞれがそうなるに至った経緯を知りたい。同じ国に同時代に生まれ育っても、周囲の環境や得てきた情報によってその部分、かなり個人差がある。これはそれを選んだことによる結果の重大性がいまだに共有されず、どちらを選ぶかが個人の判断に任されているため。

 そういうものだからしょうがないよと考えるのは早計である。

 例えば、飲酒運転って、20年ほど前はかなりラフだった。悲惨な事故が何件かあって、遺族が厳罰化を求めて、世間の飲酒運転に関する意識が高まったと言える。未成年飲酒も同様で、大学の新歓で一気飲みによる死亡事故が続いてから大学が新入生へのオリエンテーションで注意喚起を強く行うようになったり、飲食店での未成年へのアルコール提供が厳しく取り締まれるようになってから意識がガラッと変わった。

 っていうことはたぶん、コンドームつけるのがデフォだろ?っていう意識も変えていけるはずなのだと思う。

 そういう話をみはるんともした。みはるんが「コンドームをつけるセックスがデフォルトで、つけないでするなんて気持ち悪いね……!っていうぐらい意識が変わったら、逆につけない関係性になるときにもっとヒリヒリするような、意味が生まれるはずで……」というような話をしていた。新しい「常識」ができることで、今はないドラマ(感情のひだ)が生まれる予感。

 「コンドームをつけない方が男は気持ちいい」っていう感覚も、かなりインフォメーションによって作られている感覚なんじゃないかという気がするんですが、どうでしょう。

 コンドーム装着を常識にするのは教育でできるはずだって言ってしまうと「教育」or「性教育」嫌いな人から反発がありそうなので、そこは控えめにしておきますけど、まあ世の中の意識って変わるときは案外変わるなあとは40年以上生きてきて思います。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、1371文字あります。
  • 7月は忙しかった
  • アンちゃんの最近

すでに登録された方はこちら