たまたまレビュー#9 NHKスペシャル未解決事件「下山事件」

「どんなときも手を汚し傷つくのは弱いものたちだ」
小川たまか 2024.03.31
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たまたまレビューでは、書籍・漫画・映画・ドラマなどのレビューを思ったままに書いていきたいと思います。大体週末の午後に更新します。

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今週のドラマ

NHKスペシャル未解決事件「下山事件」(作:安達奈緒子)

▼NHK公式

簡単なあらすじ

1949年7月、アメリカ占領下の日本。国鉄の総裁だった下山定則が礫死体となって発見される。国鉄は職員10万人の解雇を発表して労組と交渉中だった。捜査は自殺と他殺で見解が割れた。事件当日に付近を徘徊する下山らしき人を住民ら十人以上が目撃していることが自殺の根拠だったが、遺体から血が抜かれているなど、法医学は他殺を示していた。東京地検の布施健(森山未来)や朝日新聞の記者・矢田喜美雄(佐藤隆太)は背後に大きな圧力を感じながらも事件の真相を追う。

未解決事件シリーズ好き

夫が未解決事件シリーズが好きで、毎回のように見てきた。ただ私はオウム真理教事件や尼崎事件のような同時代の事件に興味を惹かれやすいため、下山事件、戦後、1949年、ふーんって感じで正直そこまで興味なかった。未解決事件シリーズじゃなかったら見てなかったかもしれない。

しかし見てみたところ、これがとても面白かった。複雑な事件だけれども、セリフが印象的で登場人物のキャラ設定が抜群で、この作品で何を伝えたいかがわかりやすい。森山未来の演技が渋くて最高です。渾身だと思う。森山未来を見るためだけに見るのでもいいと思います。ていうか見てほしい。今、ナウこそ見るべきドラマと思います。その理由をこれから書きます。

未解決事件シリーズはいつもドキュメンタリーとドラマの二本立てになっていて、NHKの取材班が徹底取材で新たに発掘した資料や証言を見せるのがドキュメンタリー、それをもとに脚色されたのがドラマ。ドラマでは実在の人物にいろいろ語らせているし、もやがかかった中にかすかにうかがえる「真実」もそれが真実かどうかはわからないのだが、それをわかって見ていてもドラマの訴求力はやっぱり素晴らしい。森山未来を見るためだけに見るのでもいいと思います(2回目)。

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