たまたまな日々・この壁を溶かすには
ほぼ1カ月ぶりの更新です。
こんにちは。前回の letter で登録してくださった方がだいぶ多くいらっしゃって、ほのかに緊張しています。基本的には、性暴力・性犯罪を取材しているライターが、取材に関することやそれ以外の日常を取り止めなく綴っている日記のようなものなので、役に立たない話も多々あるかと思いますが、お付き合いいただけたら喜びます。
自己紹介代わりに告知すると、最近、初の文庫が出ました。
『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(タバブックス)は、私の初の著書で2018年刊行です。それから7年経っての、満を持しての文庫化だよ!
基本的には2016年〜2018年頃の話題が多く、そういえばあの頃、こんなネット炎上あったなあと懐かしく思い出したり、今もこういうのあったよねえと思ったり。性犯罪刑法についても結構書いています。これは当時とはかなり大きく変わったので、比較すると興味深いかもしれない。
また、雑誌「母の友」(福音館書店)で連載していたコラムから選りすぐりの11本も追加しています。思い入れのあるコラムばかりです。
単行本のときに惣田紗希さんに担当していただいたカバー絵がとっても評判が良く、文庫版でもそのままでいいかもとも思ったのですが、7年経ったし、心機一転ということで筑摩書房の編集担当・Kさんからご提案をいただいて変えました。韓国のイラストレーター・ソヨンさん、カバーデザインは芥陽子さんです。感謝! 文庫って手のひらサイズでつくづくかわいいですね。
さて、前回から1カ月経ってもこの話題かよって感じですけれども、それだけ私の周辺ではこの騒動の余波が大きかったんですよね。対談記事が1本、鼎談記事が1本出たのでお知らせします。
▼有料記事がプレゼントされました!3月13日 14:34まで全文お読みいただけます。伊藤詩織さん映画を考える対話 浮かび上がってきた「問題」の本質は:朝日新聞
▼伊藤詩織「Black Box Diaries」問題から何を学ぶか~未許諾が明らかになった背景:FRaU(後編記事もあります)
FRau記事の冒頭で中野円佳さんが仰っている「ある個人の中にもマジョリティ性とマイノリティ性、権力性と脆弱性がある」が、この騒動の大切な部分だと思ってます。詩織さんの映画に許諾などの問題があったからといって彼女の人格や被害を全否定するわけではないんだけれど、前半部分を指摘しようとすると、後半もセットで見られることが特にSNSでは多くって、さらにそこから過剰なまでの詩織さん擁護と弁護団叩きにつながり、煽るインフルエンサーに乗っかってひどいこと言う人も見られ、まあSNSって、本当に人類には早すぎましたね。