たまたまな日々・「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」が非公開となる

Forbes JAPANが昨年末から発表していたランキングが突如非公開に
小川たまか 2025.06.12
誰でも

 梅雨の晴れ間が好きです。

***

 引き続きゆるい筋トレをしていて、いい感じです。YouTubeで会見動画とか見ながらやっています。山尾志桜里さんは好きじゃなかったけど、さすがにちょっと気の毒……。

 さて本日はこちら。

Forbes JAPAN「2025年版 日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」が突如非公開に

 これまでの経緯をご存知ない方も多いかも知れずすみませんが、まずはForbes JAPANの発表を見てみましょう。

▼5月21日の発表

==引用(太字は筆者による)

いつもForbes JAPANをご愛読いただき、ありがとうございます。 この度、日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキングを一部非公開にしました。 一部、外部の記事において、当ランキング発表の主旨と異なる形で取り上げられるなどしており、その影響を考慮しました。

なお、当ランキングは、日本ベンチャーキャピタル協会の協力のもと、会員企業にアンケート調査を行い、日本に拠点を置くキャピタリストを対象として、期間内にIPO(新規株式公開)、M&A(合併・買収)などによって得たキャピタルゲインの合計金額で順位を決定しています。 その主旨は、日本経済の活性化に、起業家に伴走するベンチャーキャピタリストの存在は重要であり、活気あるエコシステムが醸成されるために客観的数字をもとにランキングを発表しています。

FobresJAPAN編集長 藤吉雅春

引用終わり==

 5月9日に、私は下記の記事を出していました。

▼「辞退しないんだ」ジャフコ・セクハラ「加害者」が「影響力ある投資家ランキング」入り

 ざっくり言うと、大手ベンチャーキャピタル「ジャフコ」で数年前にセクハラ加害があり、問題が発覚していたのにもかかわらず、その「加害者」が昨年11月発表の「影響力ある投資家ランキング」でランクインしていたという内容です。ジャフコからはベスト10内に4名がランクインしていましたが、このうちの1人がその男性でした。

 組織内での性暴力やハラスメント事案で「あるある」なのが、被害者がその組織に居場所を無くしてしまうことが多いのに比べ、加害者は現状維持どころか出世するケースさえあることです。

 「ジャフコ」のケースでも、被害に遭った女性はその後「退職勧奨」を受けて雇い止めになった訴え係争中です。かたや係争の相手方であるジャフコは華々しく4人もランクインして、「加害者」さえその中にいたと。

 Forbes JAPANが言ってる「一部、外部の記事」って……、それはもしかして私の記事のことでしょうか。こういう説明であっさり消すんだっていう驚き。ランキングを取り消すわけではなくて、「非公開」と。

 「客観的数字をもとにランキングを発表しています」という説明は、「好き嫌いで選んでるわけじゃないし!」「人格とか倫理的な話は知らないし!」みたいなことを言いたいんかな。数字の指標で自動的に上から順に選んでるだけなのでって説明はわかるんですけど、ジャフコに関する報道は昨年10月にすでに出ていたので、その中での発表ということに何か引っかかるものはなかったんでしょうか。

 ジャフコに関しては昨年10月に週刊文春が報道していますし、投資家やベンチャーキャピタリストによる起業家を志す女性に対してのハラスメント被害が深刻であることはここ数年で大きく報道されています。けれどForbesでのこういう扱いを見ると、業界内での自浄作用が期待できるのかどうかと思ってしまう。

 ジャフコはベンチャーキャピタル内では知らない人がいない企業ですが、一般的な知名度はそこまで高くありません(文春報道の際に「ジャスコ?」って言われてたぐらい)。関心がある人はあるけどない人はまったくない業界なので外の目があんまり気にならないのかな?などとも想像します。

 フジテレビやジャニーズの件で、テレビやエンタメ業界は少し変わりつつあるのかも知れないけれどスポーツ(サッカーとか相撲とか……)とか、こういうベンチャーキャピタル界隈とか、男性が多い業界ってなかなか「これまでの風土を変えたくない」とか「身内の男を守ってやりたい(文句言ってくる女はややこしい敵)」の空気が強いように感じます。

 引き続き注視していきたいと思います。

 

『世界』に寄稿しました

 書いたどー!

岩波書店『世界』編集部
@WEB_SEKAI
女性支援団体を叩くために、なぜこれほど多額のカンパが集まるのか? 「フェミ」への訴訟提起によって一体感を強め、盛り上がる人々――その実態を描きだし、3つの視座から分析する。
小川たまか「女性への制裁という『エンタメ』――ミソジニーの収益化とColabo攻撃」#岩波世界
2025/06/07 14:30
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  「女性への制裁という『エンタメ』ーーミソジニーの収益化とColabo攻撃」というタイトルです。ずっと考えていたことだったので、書く機会をいただけて光栄でした。手にいただけたら幸いです。

 ↑この『世界』編集部の告知を見て、暇空茜さんの信奉者と思われる方たちが一部キューキュー騒いでおられるんですが、どちらかというと彼らより朝日新聞(特に政治部)をより批判してる。なぜかといえば、批判すべきは個人よりも構造であり構造への加担度が強いのはマスコミだと思うからです(個人への批判が不要とは言ってない)。

それではまた

 今日は短くここらへんで。また近々〜〜!!

腹の上のこたつ

腹の上のこたつ

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