【たまたま通信】勉強が必要(辺野古へ行ってきました)
こんにちは。実は先週、沖縄・辺野古へ行ってきました。

例の看板。
なんでかって言ったらやっぱりひろゆきの件があったから。
私は今年の5月15日の「本土復帰50周年」に合わせて沖縄へ行きました。これまで沖縄について取材したことがなかったけれど、なんとなくいつか考えなければならない問題だと思っていて、ちょうど良いタイミングだったからです。

5月に行ったとき、沖縄在住のジャーナリスト・大袈裟太郎さんが撮ってくれた1枚。辺野古です。
訪れてはみたものの、1回行っただけのライターが現地でお話を聞かせてもらえるとか、間近で写真撮らせてもらおうとか全然思えず、ただただ様子を見てました。私にとって辺野古、沖縄というのはそういう場所で、そんなに勉強していない取材者が軽々しく踏み入ったり、軽はずみにものを言っていいところだとは思えなかった。
そしたらひろゆきがあんなことして。
もうここ10年以上か、もっと前から続いている風潮だと思うけれど、世の中がわかりやすくキャッチーであればよく、複雑な物事を複雑なままにわかろうとする努力を怠ってきた最大のツケがこれなんじゃないかと思った。
出版メディアもコスパの良いわかりやすさを追求した本が売れるから、どうしてもそっちに流れていってしまって、文化がやせ細ってる。
議論が、対立する視点から共通点を探り前向きな打開策を目指すためのものではなく、ただ言い負かしたように見せればいいという幼稚な遊びになってしまっている。
しかもそこに、自分をなぜか権力者側と勘違いしてマイノリティの権利主張をとことん嫌悪するギスギスした庶民感情が混じる。

2017年にオスプレイが墜落した東村高江の牧草地。
その場所に生きている人や、その問題に取り組んできた人の声を地道に聞き取っていくことからしか政治も報道も始まらない。けれどそれをおろそかにして、どぎついこと、面白おかしいこと、もっともらしいことを言うコメンテーターに頼ってしまう。
複雑な問題に向き合っている人は言葉を慎重に選ぶから一回だけ聞いてすんなり理解できるようなわかりやすさはないことも多いし、耳を傾ける姿勢がなければわからない。
「もっとわかりやすく伝えなきゃ」と言えば簡単に彼らの声を無効にできるかもしれないが、そこでシャットアウトしているのは私たちの未来に他ならない。
疑わなければいけないのは、権力者にとって都合の良い、わかりやすい二項対立の言葉のほうではないのか。

国頭郡本部町の市場で。
●CLPの辺野古特集良かった。
Choose Lefe Projectの再開にはいろんな意見あると思うんですが、この辺野古回めちゃ良かった↓
なんか知らないことばっかりで……。
たとえば、56:00〜からの前泊博盛教授(沖縄国際大学)のお話。
「バイデン政権になってPFOSの安全基準が大幅に見直しになった」
「安全性が保証されているのかわからない水道水を飲まされ続けている」
「血液検査では沖縄住民は基準値の2〜5倍の血液汚染が進んでいる。全県民に(調査を)やらせろということを言っているが、おそらく政府はやらない。やって全県民の値が高い場合どうしようもない、責任が取れない問題になると予見される場合はこの国はそういう調査はしない」
お水の話は上間陽子さんの『海をあげる』にも出てきたけれど……。

Choose TVより。
あるいは、1:52:10頃からの、浦島悦子さんのお話。
「軟弱地盤をマヨネーズにたとえるのとっても嫌いなんです」
「なんでかっていうと、マヨネーズっていうとそこに生き物はいない、ヘドロみたいなものかと思われるけれど」
「実は大浦湾の生態系の一番底辺を支えている、ふかふかの砂の泥…、綿というか柔らかい布団みたいに無数の生き物たちを包んで育てている、そういう場所なんです」
辺野古北側の大浦湾は地盤の強度が弱い「軟弱地盤」であるため、基地建設に向かないと指摘されていた。
ただ、軟弱地盤であることを報道などで「マヨネーズ並み」などとたとえることに浦島さんは違和感を覚えている。生態系を支える豊かな場所であることがこの言葉では伝わらないから。
基地建設に向かない「劣った地盤」ではなく、生き物たちの原点である豊かな場所。そういう思いも込められているんじゃないか。※理解が間違っていたらごめんなさい。
性暴力や社会運動を取材する中で、活動をしている人は言葉を大切にするということを実感していて、たとえば「性暴力」と「性犯罪」の違いとかもそうだけど、なぜそうなるかと言ったら言葉の使い方ひとつで微妙にミスリードされていくことがあるからですよね。
堀潤さんが「辺野古移設反対運動」と言ったのを「辺野古移設反対運動なんてありませんから」と指摘している人がいて、私はこれも初めて知った。

辺野古「新基地建設」反対運動にクソバイスする暇があったら、自分に何ができるか考え行動することが、「本土」の私たちがやるべき事です。
#沖縄の人々への侮辱を許さない
普天間の代替として建設しているはずの辺野古だが、辺野古に「移設」されたとしても普天間が完全撤去される確約などない、だから「新基地建設反対」と言う……と。勉強せな。
【今日のももあん】

アンディは甘え上手。
沖縄の本部町にある珈琲店「自家焙煎珈琲みちくさ」の店主さんや、CLPにも出演していたデザイナーの親富祖愛さんたちが制作した冊子「Picnic」のBLM特集号。
撮ろうとしたら、床に何か敷かれるときは自分がそこに寝そべってなでられるものだとばかり思っているアンディがごろりした。もうすっかり2匹と仲良くて楽しいです。
●そんなわけでインスタ始めました
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堂々のフォロワーゼロ。
実はインスタのアカウントは3つあって、メインと読んだ本の記録があります。本の方はだいぶ投稿していないんですけど、たぶん今月から頑張る!(たぶん)
ももあん → @kyoumoan
メイン → @ogawatam
本の記録 → @tamaka_books
リンクの貼り方がわからなかった、ごめんなさい、、、
それではまた今度。寒くなってきたのであったかくして過ごしましょう〜。
2022年10月26日 小川たまか
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