弁護人が「ズバリ聞きます!」って言った回

子どもに卑猥な声かけをして逮捕された男(前科アリ)の裁判を傍聴した話。
小川たまか 2021.01.24
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 こんにちは。今回は、先日傍聴した裁判のお話です。

 子どもに卑猥な声かけをして逮捕された男(前科アリ)の裁判。以下、全文は長いのでざっくり言うと……

・弁護人が「ズバリ聞きます!」とか言っちゃう癖の強いタイプで、さらに言ってることが昭和のガンコ親父みたいでびっくりした

・検察官が「内心で何を思っても咎められることはないけれども」って言ってるのに、弁護人が「子どもに性的欲求を感じること自体がおかしい!」って声を荒げていて、おいおい、って思った

・被告人がずっと泣いてた

・被告人の妻が気の毒だった

・再犯させない難しさ問題

 というような話です。

 法廷の様子をほぼそのまま載せるので長いんだけど、今日はお天気悪いので家でゆっくりしてる〜って人はゆっくり読んでください。

◆◆◆

 もともとこの裁判を傍聴する予定はなくて、隣の法廷で開かれる裁判の傍聴をするために待合室で待っていたところ、この弁護人の男性が女性2人(被告人の母親&妻)と打ち合わせを始め、その様子に思うところがあったため、傍聴することに。

 被告人の罪は、当時下校中の9歳の女子児童を見つけて車で追尾、人気のないところで車の中から「ちんぽ見るか?」と声をかけたこと。仕事で外回り中だったという。同種事案で罰金刑の前科があり、さらに示談になって起訴されていない前歴も。罪を認めている。20代後半ぐらい。一見普通の人。

 被告人の母親と妻はスーツを着て、傍聴席で待っている間、背もたれに背をつけることなく背筋を伸ばしていて、なんかそういうのを見ると加害者家族も気の毒だなと思ってしまう。(全然反省のなさそうな加害者や加害者家族もいるんだけれど、今回の場合はそういう感じではなかった)

●弁護人が劇場型タイプ

 弁護人は60代ぐらいの男性。黒マスクにフェイスシールド。

弁護人「〇〇君、私はあなたが逮捕された直後に国選で弁護につきました。私が最初に面会した時、あなたは涙をボロボロ流して、『なんとかしてほしい』と言いましたね。なぜそんなに悲しかったのですか?」

被告人「被害者の……ことを思うと……。また家族や、妻や、サポートしてくれている会社の人に迷惑をかけてしまうと思い……」

 被告人は声が小さい。この段階ですでに泣いていて、この後もずっと泣きっぱなし。

弁「またやってしまったという気持ち?」

被「おっしゃる通りです……(泣き声)」

弁「ズバリ聞きます! 幼い子どもを見ると性的欲求を感じるんですか?」

被「……感じていました」

 もうこのやり取りでわかると思うのだが、弁護人は劇場型なタイプの人で、癖が強い。「ズバリ聞きます!」って。ズバリて。丸尾くん以降、久しく聞いたことがない。

弁「車の中でマスターベーションしていたんですか?」

被「したこともあります……」

弁「普通はねえ、8〜9歳の子どもを見ても、普通の男は性欲が湧かないものですよ。その違いはわかりますか?」

被「わかります」

弁「勃起するなんてないですよ! わかります?」

被「わかります」

 弁護人、しつこくない……? なんのための質問なのかよくわからなかったのだが、おそらく説教してみせるスタイルなのだと理解。小児性犯罪者をかばうつもりはさらさらないが、弁護人の「普通」という言葉の使い方もどうなんだろなと思った。

●怒鳴る弁護人、泣く被告人

 この後のやり取りで、被告人は7歳頃に兄の持っていた漫画を読んだことがきっかけで子どもの裸に興味を持つようになったと話していることがわかった。20〜21歳の頃にはっきりと子どもへの性的関心を自覚したと供述。

 ただし、「厳密に言うと幼い子というよりは大人しいタイプを……」とのこと。大人にも子どもにも同様に性的関心があり、子どもについては、抵抗しない、被害を訴えないという理由で狙っていたと。とはいえロリコンと思われたくない加害者もいるので、これはどこまで本当かわからない。

 子どもへ卑猥な声かけをしたことはあるが、連れ込んだり触ったりしたことはないそうで、これは信じたい……(被害者が他にいてほしくないという意味で)。

弁「罰金刑の前科があるが、その後再犯防止のために何かした?」

被「クリニックで認知行動療法を受けていました」

弁「あとは箱庭療法?」

被「いえ、私がやったのは認知行動療法と座談会です」

弁「接見のとき箱庭と言わなかった?」

被「言ってないです、すみません……」

弁「私の記憶違いかな? 箱庭療法っていうのがあるんだけどな…。それで、診療には1回につきいくらぐらいかかった?」

被「母が払ってくれたので覚えていません」

弁「あなた6000円と言ったじゃないか!!」←激昂

被「そのぐらいとは言ったと思いますが……」

 このあたりから、この弁護人大丈夫かな?という思いが強まる。弁護人がこんな調子なので、逆に被告人がちゃんと正直に喋ろうとしている人に見えてくる。これが戦略だったらすごいよう。

弁「それでどのぐらいクリニックに通ったの?」

被「1年ももたなかったと思います」

弁「経済的にもたなかったと?」

被「それは言い訳です……。母の経済が苦しくなると言い訳してやめたということです。母には『もう大丈夫、治った』と言いました」

弁「お母さんに負担をかけたくなかったから?」

被「……という体裁です」

弁「クリニックに1年通ったって治るとは限らない! 一生ものだ! そういう考え方が脳神経に住み着いているんだ! 2〜3年で治ると思うなよ! 今後どうするつもりだ!」←大声

 ひー、もうほんとわけがわからない。嫌だよこわいよ。。。「体裁です」について突っ込んでよ……。怒鳴って誤魔化そうとしてる……?

被「月に数回通って……10年、15年、必ずっ、通院します」(ハンカチを取り出して涙を拭いてる)

弁「あなた高校途中で辞めてるでしょ!」

被「はい……」

弁「やらなきゃいけないことをきちんとやらない傾向があるね!」

被「おっしゃる通りです……」

弁「ここではっきりわからせとく!」

被「はい」←めっちゃ泣いてる。

 高校辞めたとか言うたるなや……。弁護人がおかしすぎて、私は一体何を見ているのだろうという気持ちに。

●きれいな声の検察官

 検察官は2〜30代ぐらいの女性で、声がきれいだった。検察官は大体淡々としているものだけど、この人も同じく。

検察官「平成30(31?)年にも罰金刑を受けてますね。何をしたんですか?」

被告人「……車の中から女の子に『ちんぽ見るか?』と声をかけました」

 この法廷で泣きっぱなしの様子と、「ちんぽ見るか?」のギャップよ。そしてこういうときに選ばれる言葉はなぜか「ちんこ」ではなく「ちんぽ」な印象ある。

検「今回とまったく同じですね。起訴されていないけれど前歴もありますよね。内心についてどう考えようと咎められることはないけれども、何回も犯罪を起こしていますよね。自分の罪についてどう考えてたの?」

被「反省が足りないと……」

検「こんなに何回も警察のお世話になっていて、それでも反省足りなかったですか」

被「甘かったと……」

検「繰り返しているのはどうしてだと思いますか?」

被「罪と向き合っていないからだと思います」

検「クリニックのお金は誰が払ったんですか?」

被「母が払ってくれました」

検「母親に返した?」

被「少しずつ返しています」

検「さっき大人しそうだから、抵抗しなさそうだからと言っていたけれど、相手を怖がらせることをわかってやっていたということですよね」

被「おっしゃる通りです」

検「相手を傷つけることをわかってやってますよね

被「はい」

検「(相手を傷つけることは)認知行動療法で学ばなくてもわかりますよね」

被「はい」

検「クリニックに行かなくなったのはどうしてですか?」

被「仕事が忙しくなったのもありますが、もう絶対にやらないだろうと自分で思ってしまいました」

検「この事件の前にも仕事の途中で物色していたんですよね。その時点でカウンセリングになぜ通わなかったの?」

被「考えが甘かったと思います」

検「これまでもそう言い続けて、またやってますよね。これまでと何が違うんですか?

被「今回初めて拘置所に入って、独房に入り、初めて長い時間自分と向き合って、もう二度と家族に迷惑をかけてはいけないと……。あと、被害者を傷つけてはいけないと思っています」

 性犯罪加害者のカウンセリングをする人に聞くと、多くの加害者が「家族や会社に迷惑をかけた」ことについてはとても反省の様子を見せるが、被害者のことはすっぽり抜けているのだそう。そんな感じがこの人にもした。家族のことは人格のある人間と認識しているが、被害者については個別に把握していない、みたいな感じ。

●会社は事情を汲んで内勤に

検「わかりました。あのね、カウンセリングに効果がなかったようだけど、他にやらなければいけないのはなんだと思いますか?」

被「カウンセリングどうこうよりも、自分は犯罪者だと意識して、必ず決まった日に病院に通うようにします。それから家族から干渉していただくようにします。仕事については外回りの営業はナシで、内勤のみで面倒を見てやると言ってもらっているので、そのようにさせてもらいます」

 検察官の方がよっぽど被告人の更生意思の確認について有用なコメントを引き出しているように見える。

 あと、つまり、被告人はクビにはなっていない。痴漢や盗撮で捕まっても失職していない加害者は案外多くて、先日も痴漢で捕まった人が法廷で「小田急線に乗るとまたやってしまう可能性があるので、小田急線を使わない経路で通勤することを会社が認めてくれて…」みたいな話をしていた。

 ↑こういうニュースが出ると、「警察は身内に甘い」とか「公務員はクビにならない」みたいな感想が見られるけど、民間ならクビになるかっていうとそうでもない。

 失職する方が再犯率が高い……みたいな話もあるので、性犯罪者はクビになって社会的制裁を受けた方がいいとは全然思わないけれども、世の中で信じ込まれている「一度の痴漢で全てを失う」みたいなのはあんま真実じゃないなとは思う。

 案外、企業は許す。この人の場合、拘置所に長くいてそれだけ会社も休んでるわけで、さらには前科もあるんだけど、それでも切られてない。それは、性犯罪の加害者であっても、会社内では「従順な勤め人」だったりするからじゃないだろうか。女には加害行為するけど、会社内では従順。女児には「ちんぽ」って言うけど、法廷ではひたすら泣いて「はい」「はい」「おっしゃる通りです」と言ってるこの人の姿からそう感じた。

 一度、会社を辞めることになった盗撮犯の裁判を見たことがあるが、その人の場合は駅で盗撮が見つかって逮捕、そのあと会社内のトイレでも盗撮していたことが明らかになったからだった。

●弁護人「総括だけどね!!」

 さて、検察官の尋問が終わったあとで、弁護人が「一点!」と口を挟んだ。

弁「一点! 総括だけどね!! やるべきことをやりやってはいけないことをやらない! あなたはそこのところが弱い! そうだね!」

被「はい」

弁「子どもに性的欲求を感じること自体がおかしい! 感じたら環境を変える! わかったか?」

被「はい」

 この弁護人はこの場にいないお父ちゃん役をやろうとしているのかな? こんな昭和の説教になんの意味があるだろうか。

 あと、鋭い方はお気づきかと思うが、検察官は「内心についてどう考えようと咎められることはないけれども、」と言っていたのに、弁護人が「子どもに性的欲求を感じること自体がおかしい!」って言った。

 「内心の自由」っていうのはどっちかっていうと弁護士の人の方が主張するものなんじゃないかと思うんだけど、この弁護人の人はたぶん性暴力とか性とか教育の考え方がアップデートされてなくて、その辺のことが内心の自由の範疇外になってるんじゃないかと思った。

 そしてソフトに語りかける裁判長。

裁判長「一つだけ聞きますね。事件前の自分にかけたい言葉はありますか?」

被告人「『ふざけんじゃねえ』と……」

裁判長「その言葉を覚えておいてくださいね」

 アメとムチみたいな裁判。

●母「支えていきたいと思います」

 この後、家族への尋問。まずは被告人の母が証言台に。

弁護人「今日、犯行の全体のことを聞いて知ったと思います。今日法廷に来て良かったと思いますか?」

母「はい」

弁「こういうことは家族でなかなか話せないですよ。来てくれて良かった」

母「はい」

弁「息子さんも気の毒なんだ。母の教育が悪いと言われるかもしれないけれど、あなたが悪いわけじゃない。責める気はない。息子を監督し、自分の身になって社会更生させる決意はありますか?」

母「はい。息子がこれから立ち直れるよう、誰かを傷つけることのないよう、変われるように監督していきます

 書き取りきれなかったけれども、弁護人は罪を犯すのは「社会の影響」があって、というようなことを言っていた。

弁「示談のために何十万でも出すとおっしゃったことは立派です。でも被害者はそんなことしたくないし、受け取りたくないと。その気持ちもわかりますよね。これからも息子さんへの面会を続けてくれますね」

母「もちろんです」

弁「もう社会人なんだからと放っておくなんてしないでくださいね。最後に何か言いたいことがあれば言っていいですよ」

母「彼の話を聞いてやることができずこういうことになったと思います。今回いろいろ聞いて、支えていきたいと思います」

 なんだろう。弁護人は自分の意見言い過ぎというか。自分の意見言うより、相手に語らせないとあかんのじゃないか。ライターでもたまにいるわ〜、インタビュイーよりしゃべっちゃうインタビュアー。

 母のせいじゃないって言ってくれたのは良かったけれど、社会人になってる息子のサポートをし続けなければいけない義務が親にあるかって言ったら私はそうは思わない。加害者家族もどこかに頼ってほしい。

 このあと、検察官からも質問を受けて終わり。母は傍聴席から戻るとき、息子に目で「大丈夫?」というように合図を送っていて、息子はうなづいてハンカチで涙を拭いていた。家族仲は悪くないのだと思う。

●被告人の妻

 最後に被告人の妻が証言台に。かわいらしい感じの人。なんでこんな人がこんな男と……と、つい思ってしまう。

弁護人「奥様ね。よく今日来てくださいましたね。傍聴もよくしてくれましたね。ここへ来る間に具合が悪くなって、傍聴できるかわからなかったということだけど、大変よね。聞いて、本当のことわかりました?」

妻「はい」

 実は直前の待合室で、妻と母は弁護人に「(妻の)具合が良くないから傍聴は難しいかも」と伝えていた(母親は妻(嫁)に『寒くない?』と声かけたりしていて優しかった)。でも弁護人が「自分と闘って傍聴してください!」と言っていて。弁護する人にとっては家族を出廷させた方がいいんだろうけど、本当に酷なことだよ……。

 ただ、証言台での妻の様子は、被告人よりも母よりも毅然として見えた。

弁「責めたり、争いごとはしないでくださいね」

妻「はい」

弁「今はどんな気持ちですか?」

妻「……今回は長い勾留期間があったのでたくさん考えたんですけど、一番は怒りが大きいです

 妻がこう答えたときに、弁護人が慌てて次の質問を重ねた。

弁「あなたが怒りを感じるのはもっともだけど、今は争ってるときじゃないんだ。どうか更生に協力してあげてください」

妻「……はい」

 もうこの弁護人は、人の話を聞くのが致命的に下手。妻は怒りを感じているけれど、それでも被告人と離婚せずサポートする意志があるからここへ来ていて、「怒りが大きいです」と言った後に何か言いかけていたのに。

 怒りがあるのは当然であり、むしろ「怒ってないです。許します」とか簡単に言う家族だったらそのほうがおかしいのに。怒りを感じたのにサポートすると決めたのはなぜか。その複雑な気持ちこそ聞くべきところなんじゃないのかと思うけれども、弁護人は自分の意見を押し付けて終わった。残念すぎる。

検察官「被告人がクリニックへの通院を辞めたとき、行った方がいいんじゃないかと感じたことはあった?」

妻「はい、ありました。でも夫を信じたいという気持ちが先行していました」

検「(再犯防止についての)具体的な話はしていなかった?」

妻「しなくはなかったけれど、不充分だったと思います」

検「サポートする意志は変わらない?」

妻「変わらないです」←キッパリ

検「具体的にはどういうことを考えていますか?」

妻「携帯のGPSで位置を把握するようにします」←これは加害者家族の監督方法としてクリニックから指導されるものでよくある

検「今後、また同じようなことをしたらどうしますか?」

妻「これまでと同じようにサポートしていこうという気持ちです」

 検察官による質問の方が、被告人・妻のサポートの意志がちゃんと確認できるっていう。

 気になったのは、なんか弁護人が「家の中では性や性欲の話はできないはずだ」と決めつけている様子で、「法廷で本当のことが聞けて良かったね」と繰り返し強調していたこと。「妻・母親には被告人の性欲について理解できないはず、知りたくないはず」という前提で話を進めていたように見えた。

 でも妻は、検察の質問に対して、クリニックの診療などについて具体的な話を「しなくはなかった」と答えていたし、「怒りを感じた」「でもサポートする」とはっきり姿勢を示す妻だから、それなりに夫の性的な倒錯について話をしていたんじゃないかと思う。

 これまでにも前歴・前科がある夫について、何にも話を聞かないのにサポートしようと思わないと思う。夫婦でどんな話をしていたのか。折角ならそこのところを聞きたかったけれども。

 被告人に再犯防止をさせないように努める意志がある妻の話を全然ちゃんと聞こうとしてない(たぶん自分がちゃんと聞いてないという意識もない)弁護人にちょっと腹が立った。いや、居酒屋とかで出会ったらちょっとうるさいけど憎めない感じのおじいさんだとは思うのだが、自分が加害者の妻だったら「やりづらひ、、、」と思うと思う。

 たださっきも書いたが、弁護人が終始こんな感じだったので相対的に被告人の印象が上がって正直に話そうとしているように見えたし、被告人家族にも同情する心情になったので、それが狙いなんだとしたらすごい。

検察官「被告人は平成30年に同種事案で罰金刑を受けており、下校中の被害者を追尾した上、人気のない場所で犯行に及んでおり悪質。当時9歳の被害者は、本件以降は『一人で歩くのも怖くなった』と話しており、影響は深刻。懲役6月が相当

弁護人「被告人の行為はもってのほかであり厳罰に値する。ただ、被告人も幼い頃にそういうシコウを持たせられた。誰のせいとは言わないが、社会から受ける影響があった。男性でないとなかなかわからない思春期の経過がある。彼はこれから極めて厳しい戦いに挑む。費用も母親が負担すると仰っている。いろいろな人間がいる中でどうしてもこういう人が出てくるのは事実であり……」

 全部は書き取れなかったけども、こんな内容のことを言ってた。

裁判長「最後にこれだけは言っておきたいことはありますか?」

被告人「同種の犯罪を繰り返してきましたが、今回初めて拘置所に入り、自分と向き合って考えました。嘘をついたり逃げたりしない人間になると誓いました。今後一生通院を続けながら、二度と繰り返さないことを誓います。申し訳ありませんでした」

 泣きながらこう述べる被告人が、この瞬間に反省していたのは真実だと思う。法廷にいた誰もがそう感じたと思う。しかし、深く反省しているから再犯の可能性がないかと言ったら全くそんなことことはないわけで。

 被害者がいることなので、反省の言葉を口にしないよりは言った方がずっといいけれど、それ以上の意味は正直ない。そのこともたぶんみんなわかっている。

 この人を絶対に再犯させない方法について、誰も知見を持っていない。そのどうしようもなさをその場にいる人全員が共有しているような気がした。つら。

◆◆◆

 以下は、メール登録してくれた人だけ読めることをちょこっと書いています。モデルのラブリさんから性暴力被害に遭った女性を取材した記事を今週出したんですが、その反応について。

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