たまたまな日々・傍聴とパスタ

9月29日/傍聴/法廷で見るジェンダー/寺町コロンボ/今日のももアン
小川たまか 2023.09.30
読者限定

 傍聴をしてから原稿、原稿が進まなかった日。

9月29日

 同志社大学元アメフト部員による集団の事件、起訴された4人のうち3人についての公判がこの日で結審。

 傍聴は抽選でしたが、前回に引き続きこの日も並んだ人数が定員(74席)に達することなく無抽選に。

 抽選については、紙に書いた番号が配られたり、番号をリストバンドで手首に巻くスタイルだったりなのですが、京都地裁はリストバンド形式が多いように思う。

 シールを剥がして手首に巻くのだが、これを失敗する人が多いためなのか、もしくは譲渡を防ぐためなのか(?)、わざわざ職員の方が一人ひとりの腕に巻いてくれる。効率悪くないか……?と思うけども、いろいろあるんだろう。

傍聴

 私は少し耳が悪いので、傍聴のはなるべく最前列に座る。ボソボソしゃべる被告人や滑舌の悪い関係者もいるので、後ろの方だと聞こえづらいことがあるし。

 最前列に座ったら両隣が男性で、隣のおじさんがちょっと最近もしかしてお風呂入ってないかな……という感じで、つらにゃんだった。お昼を挟んで午後は法廷が空いて、隣に誰も座らなかったからホッとした。

 人の体臭についてはお互い様だし、あまりけんけんしたくないのだが、京都に来てからなぜか以前より鼻がきくようになってしまった。

 東京よりも空気がきれいだから? 散歩中にすれ違う人の匂いが気になることが多くなった。そのへん鈍感でいたいのだが。不思議なもので、人の多い駅とか繁華街とかでは平気で、川べりを散歩しているときに特にそんな感じです。

法廷で見るジェンダー

 この日は、被告人3人の親たち(被告Aの両親、被告Bの面倒を見ているサポートの人と父親、被告Cの母親)がそれぞれ情状酌量のための証人として出廷して、更生のサポートをすることや、被害者へ示談金を支払ったことなどを証言。

 この3人、特に被告AとBはかなり反省が深いように見えたし、親たちの話も型通りの謝罪ではない部分もあったのが良かった(ただ、被告人の反省の深さは被害者の回復には直結しないし、被害者が許すか許さないかは被害者の判断であるのは当然)。

 これまでに何度も性犯罪の加害者の親や兄弟が出廷する様子を見ているが、気になるのは、被告人の母親や姉などが証言する際に「(被害者と同じ)女性としてどう思いますか?」と聞く質問があること。今回もあった。

モヤる

モヤる

 なんだかねえ。

 男性にとって女性の性被害のつらさはわかりづらいから、被告人に反省を促すためにも女性の口から言わせる。みたいな意図があるのだろうが、非常にモヤる。男性とか女性とか関係ないから、そういうのやめない?と言いたくなる一方で、現代の社会にはまだ「性被害は女性の方がつらい」とか「そのつらさは女性の方がわかる」みたいな偏りが残っているのも事実。

 しかし父親が「“同じ男として“、息子さんの加害をどう思いますか?」と聞かれてるのは見たことないんですよね。「女性」の方が強調されやすいのは、結局女性が法廷(司法)に少ないことと無関係ではないんだと思う。

 この傍聴については、Yahoo!ニュース個人の有料版で詳しく書きます。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、624文字あります。
  • 寺町コロンボ
  • 今日のももアン
  • 3行日記

すでに登録された方はこちら