たまたまな日々・ロスジェネのこととか
鼻がぐずぐずするのはもしや……。
3月12日
この季節の挨拶のようになっているのが「花粉症じゃないですか?」。毎年こう聞かれるたびに「ちょっと喉が痛くなることもあるんですけどまあ大丈夫です」と答えてきた。実はちょっとくしゃみの回数が増えるし鼻の奥がかゆかったりもしていたのだが、気のせいと思うことにしていた。
しかし今年、1日中家の中にいてもしょっちゅう鼻をかんでいる。室内なのに。つら。鼻かゆい。
ロスジェネ世代
この記事を読んでいた。
▼「悪い歯車に乗った」ロスジェネ女性と考える 8がけ社会への希望(2024年3月10日/朝日新聞)※有料記事
記事に出てくる女性は40代でロスジェネ世代。就職難の時代に新卒で正社員雇用されたものの、職場の9割が男性、女性はお茶汲み、飲み会で「お酌して」と言われる職場に違和感を覚えて3年で離職。その後、非正規に。今の救いの場となっているのは、35歳以上の非正規単身女性が集まる自助グループ「にょきにょき会」(横浜市の男女共同参画センターが支援)で、仲間とつながる場を増やすことにかすかな希望を見出す。
私は1980年生まれで、2003年に大学の学部を卒業した。2003年は就職率データで過去最低(55.1%)なのだそう。私の場合も箸にも棒にも引っかからず、迷った末に大学院に進学した。大学院卒業の頃にもう1回就職活動をしたが、学部時代よりも散々な結果だった。それで新卒フリーランスになった。1年目の年収は100万円ほどだった。
私の場合は「就職したくない」「会社がこわい」という気持ちが根底にあったから仕方なかったと思っているのだが(同じ大学の友人でちゃんと活動した人たちはそれなりに就職していたし)、一方であの時代のハラスメントや圧迫面接って半端なかったなと思う。
いや、今の時代もハラスメントはまだあると思うのだが、当時はなんか就活生や新卒に人権がないというか、「圧迫面接」とか言おうものなら「それは甘えだね」と断じる空気だったし、実際に「圧迫面接おかしい」言ってる人いなかったと思う。少なくとも私の周りには。就活セクハラって言葉もなかった。マスコミへの就職率が良いと言われるゼミの面接には、教授のウケがいいからシャツの2番目のボタンまで外していくといいとか言われていた(実際そのゼミの女子学生は美人ばかりだった)。圧迫、セクハラが当たり前で、それに鍛えられてなんぼ、みたいな。長時間労働が当然で、むしろ働かせてくれてありがとう、みたいな……。
2000年代に20〜30代だった層(今40代ぐらい)が一番、社会運動に関心のない層と言われたりすることがあるが、あの時代の20代って、社会運動どころじゃない抑圧がなんかあったよなと思う。自己責任論ブーム真っ只中だったし。一方でITバブルとか言われて景気が良いように見える部分もあったし、戦後生まれの親世代にしてみれば「今の時代の若者は恵まれているはず」としか思えなかっただろう……。
私は2004年にイラクで人質になった24歳の男性が殺された事件が忘れられない。小泉純一郎政権は「テロには屈しない」と自衛隊を撤退させなかった。大学院の同じ授業に出ていた男子が「自分でイラクに行っておいて命乞いなんかするんじゃねえ」という趣旨のことを言っていて、それもショックだった。殺される側が悪い、国に迷惑をかけるんじゃねえって空気を感じた。若者が惨殺されて多くの人が少なからず痛みを感じたであろうに、その痛みを誤魔化すかのように自己責任論が蔓延した。同世代がああやって殺され、悼むことさえ憚られる雰囲気があったという事実は、その後の虚無感や冷笑にどこかつながっている気がする。
朝日の記事に戻るが、連帯を学ばなかった世代、分断された世代であるロスジェネが、中年になって小さなコミュニティでつながろうとするのは必然だと思う。そしてその連帯はささやかなものかもしれないが、この世代にこそ必要なケアだと思う。
タニシと私
※水中生物の産卵などについて書いているので苦手な人は注意。
先日、メダカが卵を産んだと書いた。あれは間違いでした。増えたのはタニシでした。いえ、正確にはタニシに似た何かでした。
順を追って説明したい。
1月中旬に和歌山でメダカを水槽ごと買ってきました。しばらくして水草や水槽に卵のようなものがついていたので、ヒーターで水温を上げていたからメダカが卵を産んだのだなと思っていた。しかしいつまで経ってもメダカベビーが生まれることはなく、代わりに小さな小さな、タニシのようなものが。0.1ミリとか、そのぐらいの小ささ。
買ってきたメダカの水槽には確かにもともとタニシがいた。でも1匹だけ。
もしかしてタニシって単為生殖なの……と思い調べてみたら、衝撃の事実が判明しました。
そもそもタニシは卵を産まない。雄雌がそろった状態のときに、5ミリほどの稚貝を産む。
卵を産むのはスネールと呼ばれるサカマキガイやモノアラガイで、これは単為生殖可能。放っておくと無限に増えてしまうので注意してください。
え! こわ!
和歌山から来たやつ、タニシじゃなかったんだ……。
ちなみに「ジャンボタニシ」という種類がいて、これは卵を産む。なぜならジャンボタニシはタニシではなく、スクミリンゴガイという貝だから。……なんでそんなややこしい名前のつけ方するの? タラバガニはカニじゃなくて本当はヤドカリ、とかもそうだよ。※ジャンボタニシの卵は見た目が気持ち悪いので(個人的感想)、画像検索するなよ、絶対にするなよ。
そんなわけで、スネールは早いうちに駆除する方が良いと書いてあるサイトもあるのだけど、今のところはまだ小さいし……と逡巡しています。
金魚の水槽にいるタニシは本物のタニシだと思います。なぜなら金魚屋でタニシとして売られていたし、卵を産んでいないから。
こわくなってきたので写真は載せない。