【たまたま通信】ネットの嫌がらせについて刑事告訴した件

虚偽DMCA通報っていうのをやられたので警察へ行きました。
小川たまか 2022.02.23
誰でも

 こんにちは〜。2日連続でごめんなさい。

 今日は急に思い立って、虚偽DMCA通報で警察へ行った話をちょっとだけ書こうと思います。結論から先に書くと、匿名で私に嫌がらせを行った人を警察が特定→家宅捜索→書類送検となりました。起訴されるかどうかはまだわかりません。

 私のツイッターを前から見てくださっていた方の中にはご存じの方もいると思うのですが、2020年6月23日に虚偽のDMCA通報被害に遭い、アカウントが一時凍結されました。

「凍結」だから雪だるまの絵文字をつけた
「凍結」だから雪だるまの絵文字をつけた

 それからつい最近まで、私はこのアカウント(@ogawatam)を使っていませんでした。最近新刊告知のために再開しましたが、鍵アカウントにしています。

●DMCA虚偽通報とは

 DMCAというのはアメリカの「デジタル・ミレニアム著作権法」のことです。アメリカに本社があるツイッター社ではこの法律に乗っ取って、ユーザーから著作権侵害通報を受けるとそのツイッターアカウントを凍結します。自分が著作権者ではない画像やイラストを勝手に使っちゃう人に対しての対策です。

 著作権侵害はあってはならないことなんですが、問題は2018〜2020年頃にかけて、虚偽のDMCA通報が多発していたこと。私の場合も偽のDMCA通報をされてしまい、自動的にアカウント凍結でした。

 やり方は簡単で、犯人Xは私がアイコンやヘッダーに使っていた画像を複数の画像SNSなどにアップ。そして「このサイトに自分がアップした画像だから、この画像は自分のもの。この小川って人は私の画像を勝手に使ってま〜す」みたいな感じでツイッター社に通報したわけです。

 通報には本人のメアドや名前・住所も必要でしたが、当然捨てアドだし、偽名。複数の偽名のうち、一つはあの唐澤貴洋弁護士を騙るものでした。そして犯人が画像アップサイトに登録していた画像は私のものだけ。

 こんなバレバレの虚偽通報をそのまま通して凍結すんなよって思いますよね。むしろ著作権侵害されているのは私だし。しかし通報→凍結は自動でやっとるし、ツイッター社とツイッタージャパン社はそういう会社なのでしょうがない。

 2020年6月頃にはすでにこういう虚偽通報で凍結されてもすぐに凍結を解除できる仕組みがあったんで良かったんですが、それ以前は虚偽であっても凍結解除するのは結構大変だったらしいです。

 それに当然ではありますが、不快感ハンパない。悪意が凄まじい。

●用意周到な嫌がらせ キモい悪意

 虚偽通報の直前、6月23日の早朝にはスマホが10回連続で鳴って、何かと思ったらツイッターのパスワードリセットメールを利用した嫌がらせでした。

 ツイッターはパスワードを忘れた場合のためにユーザー登録した際のメアドにメールして本人確認する方法があります。これはユーザー本人でなくてもできるので、嫌がらせしたい人は10回連続とかで本人確認して、そのユーザーをビビらせるわけです。

 ↓ちなみに、この嫌がらせを防ぐ方法もあるので、事前に対策しておいた方が良いです。

 10回連続のリセットメールはただスマホを鳴らされるだけだから実害は薄いっちゃ薄いんですが、おそらくわざと早朝を狙ったであろうし、自分を透明化した状態で相手に連続でガンガンメールを送るっていうのは、悪意の表現方法として優れています(褒めてない)。

 そして最初の虚偽DMCA通報からちょうど1週間目の6月30日。再度、虚偽DMCA通報がありました。

 当時、2回連続でDMCA通報されるとアカウントが永久凍結されることがあったようなので、それを狙ったと思われます。6月23日の時点で画像を何枚も複数のサイトにアップしておき、それを23日と30日に分けてそれぞれ通報したわけです。とても計画的。お仕事かよ。

●警察行ったら動いてくれた

 私は6月23日にアカウントが凍結された時点で、すぐに知人の弁護士さんに相談していました。

 その前からツイッター上での誹謗中傷的なものについては弁護士さんにちょくちょく相談していて、でもその都度「ひどいとは思うんですが、このぐらいだと……」「警察はまず取り扱わないし、民事もやるだけ損」みたいな風に言われてたんですね。私以上にひどい中傷を受けている知人もそんな感じだった。※2020年6月当時。その後、ネット上の誹謗中傷が社会問題化したので、この温度感は当時と今とで若干違うんじゃないかと思います。

 なのでこのときも、「相談してもまたやんわりたしなめられるのかもな〜」って思ってました。

 しかし。このときはなんと、弁護士さんが「とりあえず警察行きましょう」って言ってくれた。これはほんとうれしかった。弁護士さんに付き添ってもらって、その週のうちに自宅最寄りの警察署へ行きました。弁護士さんが事前に警察に連絡して、「〜〜って理由で相談に行きます」って伝えてくれました。

 ちょっと端折りますが、最初は偽計業務妨害にならないのかって話があって、それは無理で著作権侵害での捜査になりました。担当してくれたのは生活安全課。

 とはいえ警察が結構あっさり動いてくれたのは弁護士さんも意外だったようで、「ついてますね」みたいに言われたのを覚えてます。

 ちなみにチラッと見かけた刑事課の刑事さんたち、「Hawaii Police」ってTシャツ着てる人がいたり、星の王子さまの手帳使ってる人がいたりして、刑事課とはなんらかの形でキャラを立てないといけない場所なのだろうか。絶対署内でのあだ名は「ハワイ」と「王子」だよね。

●被害直後よりその後の方がしんどかった

 しかしそこまではトントンと進んだものの、そこから犯人特定までは1年ぐらいかかり、書類送検まではさらに半年ほどかかりました。

 最初は「全部終わったらありったけのことを面白おかしく書いてやるぞ〜い!」って意気込みだった私も、書けない時間が長くなるごとになんかもう徐々に気力が奪われて。当初は妙にハイだったけど、今になってじわじわきている。

 この件とかそのほかの嫌がらせとかでツイッターが本当に嫌いになってしまったんですが、でもツイッターを嫌いって書いたり言ったりしたら、じゃあ使えなくなっても問題ないじゃんって捜査する人に思われたりするのかもって考えてしまったりして、私は自分の思いのたけをこうして綴ることが好きだし生業にもしているのに、思ったことに自分でブレーキをかけなければいけない状況っていうのはキツイなあって思いました。白髪増えた気がする。

 私はウェブ記事の拡散やイベントの告知をツイッターで行うことが多く、Yahooニュース個人みたいにPVによって原稿料が左右される仕事をしていたりもするし、ツイッターアカウントはそれなりに大事なものだったんですが、こうして被害に遭ったり、誹謗中傷やヘイトを放置しているツイッター社のことを考えたりするうちに、ツイッターが大事な仕事のツールのひとつだったっていうことも認めたくないような気持ちになってしまい、さらに警察の人にこんな零細物書きの事情がわかってもらえるんだろうかっていう疑心暗鬼もあって、警察での事情聴取で「大変でした」ってことを話すのはなかなか難しかったです。

 ただ、こんな小さい事件でも、合計7時間ぐらい(もっとかも)かけて被害聞き取り&捜査してくれた警察の人には感謝しかないし、私が「こんな小さな事件ですみません」みたいなこと言ったら担当の若い男性が「事件に小さいも大きいもないですよ!」って言ってくれたりして、それは本当にありがたかった。

●理由を知りたい

 で、犯人が判明した今思うのは、なんで私を狙ったのかをやはり一番知りたいんですよね。私は性暴力やフェミニズムについて記事を書き始めた2015年頃から、侮辱的な言葉を飛ばされたり、書いてもないことを書いたことにされたり、嘲笑されたり、名前をわざと「小川またか」って間違えた上でレッテル貼ったり、っていうことを一部の人たちから繰り返されています。ネトウヨ的な人もいるし、リベラルと言われる人や弁護士の中にも、そういうことをしてくる人がいます。

 ただ、ここまで手の込んだ加害をされることはそれまではなく、ちょっと一線を超えているというか、これまでとは違うタイプの人に粘着されたなという感覚がありました。その直前、伊藤詩織さんを支持するツイートをしていたのでそれが一因ではないかとも推測しましたが、今のところ犯人(←全然知らない人)の動機はわかんないままです。

 このままわからず「複数の人に嫌がらせを行っていて、たまたま小川さんがその中の一人だっただけ」とかで終わるのかもしれないです。でもさ、誰でも良かったにしたってネット上でわざわざ「こいつ」って選んだわけだからそこになんらかの理由は必ずあるはずなんですよね。

 犯人が反省するかどうかとか、今後の行動をどう変えるかとかは、本人次第なので私がどうにかできることではない。となると、しまいをつけるために私にとって必要なのは、やはり「なぜ」です。

 起訴されたところで大した罪にはならないとは思っていますが、「なぜ」を知ることができる可能性・機会が少しでも増えるのであれば不起訴にはしないでもらいたいなあと思っています。

 今後も嫌がらせに対してはその都度証拠を取り、粛々と対処していきます。

●おまけ

 有料のYahoo!ニュース個人で、新刊の「はじめに」を全文公開しました。へぇ〜って思ったそこのあなたはぜひ。

 それではまた。2022年2月23日 小川たまか

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