【“解釈の仕方”通信】森さん辞めた

　今日になって思い出したのが、2018年夏の報道。

　ジャカルタで行われていたバスケの国際大会で、日本代表の男子選手が現地で買春をして、代表を辞めさせられたということがあった。当時の報道では、ジャカルタで買春は違法だとか、公式ウエアを着て歓楽街を出歩いたことが問題視されていたと記憶している。

　その時に思ったのが、へー、買春、ダメなんだ。「日本代表が」「海外で」やったら急にアウト判定になるんだっていうこと。

　だって、法律的にアウトっていう話なら、日本のソープランドでは建前として「本番NG」だけど、中で何が行われているのかは周知の事実だし、海外で日本人観光客の一部がどんな遊び方をしているかっていうのは、散々言われていること。

　だからバスケの日本選手もカジュアルに、公式ウエアを着たままで、何にも悪いことだと思わずに、それが男に許されている性欲の発散の仕方だと思って、買春したんだろう。いきなりアウトー！って言われて、「え、ダメだったの？」って思ったんじゃないだろうか。

　公式ウエア着て行ってるんだから、「バレたらまずい」とかじゃなくて、「バレても怒られることじゃないだろ（だって大人の男だから）」ぐらいの認識だったんじゃないだろうか。

　普段の一般男性の買春は違法でも海外でも知ったこっちゃないけど、日本代表選手が公式ウエアで買いに行くと、「日本の恥」になる。不思議だね。

　森さんの発言だって、「あんな発言は時代錯誤だ」とか「あんな差別発言をする人は今どきいない」って言っている男性をチラホラ見かけたけど、全然今でもいるぞ……？　

　リアルでもネットでも散々女性に浴びせかけられている言葉が目に入っていないんだろうか。冗談っぽく言ってるヤツは冗談だからノーカンってしてるのかもしれないけど、ふざけて言われる方が余計傷つくし。

　本音では「女って感情的だから論理的な話ができないよねー」と思っていて、「そういう“本当のこと”を公の場で言うと叩かれちゃいますよ！」とネタにすることで輪をかけて女性差別して楽しんでいたのは毎度のことだったのに、国際社会からマジレスされると「いやあ、僕も問題だと思ってたんですけど」みたいになるのなんなん。

　あと、森さんの「私は女性を蔑視するつもりは毛頭ありません」（2月12日）とか、二階さんの「我々は男女平等でずっと子どもの頃から一貫して教育を受けて進んできた。女性だから男性だからってありませんよ。女性を心から尊敬しております」（2月9日）って発言とかで思い出すのは、

　「ヤレる女子大生ランキング」に抗議して署名を集めた大学生たちと編集部で対談したSPA！の編集長男性が「我々は女性のことが好きなんですよ」発言。

　うん、そういうこと聞いてんじゃないんだわ……。

　あなたたち、「男性を心から尊敬しております」とか「男性のことが好きなんですよ」とか言わないでしょ。「尊敬する男性もいるしそうじゃない男性もいる」でしょ、普通。

　女性だからってまとめて「尊敬してますよ」とか言えちゃうことがもう、女性を個々として見る視点が欠けてるんだよ……。

　「女性蔑視していますよ」って指摘について「私は女性を尊敬しております」って回答はまったく噛み合っていない。これ以上ないぐらい軽い言葉。

　二階さんも森さんもSPA編集長も、女性差別の歴史について100枚のレポートを書いて提出レベルの失言の上塗りで。女性蔑視や差別がどういうものかについてまるで知らないから、「女性蔑視の意図は毛頭ない」なんて言えるんだよ。

　たとえば障害者差別の歴史を少しでも学んだら、「自分はこれまで障害者差別をしたことが一切ない」と言える人なんていないと思う。そういう話……。

　こういう話、通じる人にはスッと通じるけど、通じない人には全然通じなくって、「え？　じゃあ森さんを絶対許さないってこと？」とか「でも森さんは法律違反してないよね？」とか言われる。難しいね〜。

　そんなこんなで、今日20時からクラブハウスでゆる〜くフェミる部屋を1人でやるので、来たい人は来てください！　誰も来なかったら私が一人で新じゃがを茹でるだけの部屋になります。生産性のある話はしません！

20時〜【ゆるくフェミトークする】